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PFI事業とは

公共サービスの市場化、PFIとは何か。これはあくまで基本的な部分と全国の事例からの見解です。

●PFIとは何か。

公共事業に民間資金を導入する新しい方式として取り上げられたのがPFI方式です。PFIとは、プライベート・ファイナンシャル・イニシアティブ(Private Finance initiative)の略語で公共施設等の建設、維持管理、運営などを民間の資金や経営能力を活用して行う、民営化の手法の一つです。PFIが対象とする公共事業は範囲が広く、道路、鉄道、港湾、空港、庁舎などの従来型公共事業に加え、医療施設、社会福祉施設、廃棄物処理施設、教育施設、情報通信施設、熱供給施設、研究施設、などさまざまな分野が網羅されています。内閣総理大臣が策定する基本方針のもとに事業実施し、国の債務負担、行政財産の貸付け、国公有財産の貸付け、などの支援措置を受けることができます。1999年に根拠法となる「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」いわゆるPFI法が成立、施行されましたが、2001年と2005年、2011年に一部改正がありました。2011年の改正は①PFI対象事業に新たに賃貸住宅、船舶、航空機、人工衛星等を追加、②PFI事業の推進体制の拡充として民間事業者が自らPFI事業を計画し、行政(公共施設等の管理者)に対して提案できることとし、行政はその提案の内容を検討し、その結果を遅滞なく当該民間事業者に通知する義務を負うこととする。③利用料金の徴収を行う公共施設について、国や自治体が施設の所有権を保持したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する方式(コンセッション方式)によるPFI事業を可能とするなどを内容とするものです。この改正は2010年6月に閣議決定された「新成長戦略」に基づくものです。同戦略では21の国家プロジェクトの一つとして「公共施設の民間開放と民間資金活用事業の推進」を掲げています。また、PFI事業規模を2020年までに少なくとも約10兆円以上の拡大を目指す(当時)と具体的な数値目標まで示してその実現を要求しています。PFIの何が問題なのか、大企業、金融機関、ゼネコンのための新事業をつくり、従来の公共分野の仕事を広く民間の市場に明け渡すことにあります。内閣府の民間資金等活用事業推進室による「PFIの現状について」によると、PFI事業の国、地方公共団体等で実施方針が公表された375件のうち、事業決定等により公共負担額が決定したものは250件、事業費は3兆369億円になっています(2010年末)。

●PFI事業の破綻事例

代表的なPFIの破綻事例としては、福岡市の「タラソ福岡」や北九州の「ひびきコンテナターミナル」、名古屋市の「名古屋イタリア村」の経営破綻、仙台市の「スポパーク松森」の天井崩落事故、近江八幡市の「近江八幡医療センター」の契約解除、高知県の「高知医療センター」の事業契約解除提案などいろいろとあります。
 「タラソ福岡」は、臨海工場におけるごみ焼却による発電電力を活用したスポーツ施設を建設し、運営、維持管理を行うものです。この施設は2002年4月にオープンし、2年半後の2004年9月に株式会社である「たらそ福岡」が経営破綻しました。経営破綻の原因は事業計画時における需要の過大見積もりによるとされています。
 「ひびきコンテナターミナル」は、港湾整備としては国内初の事業で、民間事業者が北九州市若松区にあるガントリークレーンなどの荷捌き施設の整備と維持管理、運営を行うものです。しかし、貨物取扱量が需要予測を下回り、第三セクターである「ひびきコンテナターミナル」の経営が悪化、施設の北九州が購入し、民間から公共経営になっています。この事業の破綻原因も事業計画時における需要の過大見積もりであるとされています。
 「近江八幡市総合医療センター」は、近江八幡市北近江地区の中核病院である市民病院において、病院事業の経営及び診療行為については従来どおり市が行うが、病院本体に設置する売店、レストラン、フラワーショップ、理容・美容室については、独立採算にするというものでした。しかし、同病院の医療収益が目標どおり伸びず「PFI近江八幡」と契約を解除し、市が直営化を決めたものです。近江八幡市立総合医療センターの院長は、「PFIには、構造的欠陥ともいえる問題点が内包されている可能性がみえてきた」として、数々の問題点を「近江八幡市立総合医療センターにおけるPFI事業の検証」において明らかにしています。
 「高知医療センター」は、県立中央病院と高知市民病院を統合し、新たな県下の基幹病院として整備、運営を行うものです。赤字経営が続き、委託先の「高知医療ピーエフアイ」とPFI契約解除で協議に入り、2009年末に契約解除で基本合意、失敗の原因は需要と経営効率化の過大予測とされています。
「名古屋イタリア村」はPFI法に基づき、事業者が臨港緑地として、園路・広場等を整備し、緑地に付随するものとして、立体駐車場を新築するとともに、倉庫三棟を休憩所等に改修及び補修をおこない、それらを維持管理、運営をするものです。「名古屋イタリア村」は約170億円の負債を抱え、2008年5月東京地裁に自己破産を申請し、事実上倒産しました。

話は変わりますが、かつて小泉元総理が各国の例を参考にしながらしっかり民営化(郵政)させたいと国会で答弁したことがありましたが、今になって考えると各国の例を参考にしながら失敗も覚悟してますと言っているようなものでしたね。

●過大評価で推進されるPFI事業

 多くのPFI事業は過大評価で推進されているといえます。その最大の問題点がVFM(バリュー・フォー・マネー)といわれるPFI事業のコストとPFIでおこなわなかった場合のコストを比較した指標です。PFI事業のほうがコストが少なかった場合は、VFMはプラスになり、その場合はPFI事業が行われることになり、逆にPFI事業のほうがコストが多い場合には、VFMはマイナスとなってPFI事業でおこなわれないことになります。つまりこのVFMをプラスにするために過大評価が行われ、結果として事業の契約が解除されるなどの要因になっています。このことは内閣府の「民間資金等活用事業推進委員会」の議論でも明らかになっています。2011年2月9日のPFI推進委員会の発言では「地方の現場において、PFIはとにかく難しい、効果がよくわからないということで当初に比べト-ンダウンしている。PFIとは違う手法がよいという全般的な風潮がある」 「自治体職員がPFIの良さを理解して、納得してからでないと導入の拡大とはならない」「PFIの基本の部分は、実はそんなにまだ理解されていないのが現実」と述べています。このようにおおくのPFIの破綻の原因は需要の過大予測に集約されます。計画立案時に議会での議決と地域住民を説得するため、過大な需要予測を作り上げていないかは、議員と地域住民が声を上げていくことが大事です。

 PFI事業は民間資金や民間の経営能力及び技術力を使って公共事業の整備を行うというものですが、民間事業者はPFI事業を通じて利益を上げることであり、企業利益を犠牲にして地域や住民のサービスをおこなうことは通常あり得ません。この点を議会や住民による徹底審議が求めれている点です。そしてもう一点は、民間企業にとってはPFI事業で事業機会が与えられ、計画段階で過大需要をつくりあげ、事業を推進し、破綻が明らかになるとPFI事業の契約解除を行い撤退する。結果として多額に費用をかけて建設したハコモノは無駄になり、地方公共団体はそのつけ回しを受けることになります。
 そこで、当然、住民からの監視、点検が重要になります。計画段階からの情報を十分に提供してもらう。
①その事業は本当に住民にとって必要なものか
②営利事業としてのPFIと、自治体行政の公共性が両立するか
③施設の建設・維持・管理に住民の意向が積極的に反映される仕組みになっているか
④地域の中小企業、地域の振興にどうかかわるのか
⑤自治体の政策・事業評価システムがPFI事業をきちんとチェックできるか
などを留意する必要があります。

PFI法の第9条では「地方公共団体は、特定事業に係る契約でその種類及び金額について政令で定める基準に該当するものを締結する場合には、あらかじめ、議会の議決を経なければならない」とされています。

参考までに茅ヶ崎市の柳島スポーツ公園整備事業のPFI事業の落札者が決まったのは2014年9月

http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/machidukuri/1007905/1007907/1007912.html

議決したのは2014年12月なので服部市政3期目、議会は2011年統一地方選挙当選組で賛成25人反対2人です。

http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/gikai/gian/1001140/1010649.html

いずれにせよ、改選後の議会においても法的条項を活用し、議会で徹底した審議を行い、問題点を指摘することが重要であります。

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